クリスマスから年末の忘年会、お正月と、忙しくも楽しいシーズンとなりました。この時期、太ってしまう、胃腸が荒れてしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、宴会の席で「今ダイエット中だから」と食べずにいては場を盛り下げてしまいます。今回は、連日続く宴会でおいしく食べ、ヘルシーに楽しく過ごすシミュレーションをしたいと思います。
まずは乾杯。みなさんご存知の通り、空腹にアルコールを入れると胃が荒れてしまい、酔いも回りやすくなります。
乾杯の一口のあとは、お通しなどを召し上がって胃を守ってあげてください。
お料理のチョイスもポイントです。枝豆、サラダ、漬け物、煮物、豆腐が中心だと理想的です。カロリーというより食べものの質で選び、食べる時は何も考えずおいしく味わいましょう。
また、食べる順番も大事です。野菜、海藻、きのこなどを先に食べ、炭水化物やお肉は後にします。野菜などにふくまれる食物繊維は、よぶんな糖や油をコントロールしてくれるのです。和食ではみそ汁から口をつけますが、とても理にかなっています。とはいえ宴会でいきなりみそ汁はNGですから、サラダ、枝豆、お漬け物、煮物などから召し上がってみてください。いきなりからあげやピザを食べるより、体に優しくなるでしょう。締めはごはんが理想的。またしじみ汁は肝臓をいたわります。
そして、この時期のオススメはやはり鍋。野菜や魚介などが中心なので、たっぷり食べても翌日スッキリ。鍋奉行となってみんなを健康に導くのも一興です。おじややうどんを作れば、煮汁に出た栄養もたっぷり補給できて、残さず食べられます。
最近はおいしい野菜を食べさせてくれる飲み屋さんが増えたので、幹事の方はお店選びも最初のポイントになるのではないでしょうか。
楽しい宴会の後には、魅惑のラーメン。たまにはおいしくて良いですが、このシーズン、毎回食べていては体に良くありません。コーヒーを飲みに行き、みんなでおしゃべりしながらクールダウンしてはいかがでしょうか。
そのとき、できるだけおいしいコーヒー屋さんが良いかもしれません。あれだけ飲み食いしたのに、お砂糖やミルクを入れては追い打ち。入れようとする人に「ここのコーヒーは厳選された豆を直前に焙煎してておいしいから、ブラックがいいんだよ」などとアドバイスできて良いかもしれません。また、胃腸の弱い人は牛乳や豆乳を入れることがオススメです。
どうしてもラーメンが食べたい場合は野菜やわかめなどがたっぷりのものを。おかわりは控えた方が幸せです。
熱過ぎるものは粘膜を傷めてしまうので、ふぅふぅ冷まして、よく噛んで召し上がってください。
次の日、胃腸がもたれていたりお酒が残っていれば、無理に食べることはありません。温かい飲みものをとり、消化の良い食べものをよく噛んで、胃腸をいたわってあげてください。上記のように野菜などの栄養をとっていると代謝が良くなり、体は楽になるでしょう。できれば、宴会以外の日は和食を中心にとっていると、たまにはめをはずして食べても体調が戻りやすくなります。
毎日毎回同じように食べなくても、前後1週間くらいの食生活を考慮しながらちょっとした調節をすると、ストレスも少なくおいしいものが楽しめるのではないでしょうか。
お酒やごちそうの席は、楽しいコミュニケーションの場です。笑ったりおいしいと思うと、エンドルフィンやセロトニンなどが分泌されて体の免疫力を上げるので、面倒なシミュレーションはあまり気にせず、楽しむことが一番かもしれません。
日本には地域ごとの食文化があり、お正月のお雑煮もそのひとつです。
もともとお雑煮は烹雑(ほうぞう)、煮雑(にまぜ)といい、餅や大根、芋、昆布等いろいろな物を煮まぜたからお雑煮と呼んでいます。
一年の始まりに食べるお雑煮には全国各地その地域により材料・味つけ・もちの形や焼き方も違います。
例えば、あずきを煮たおしるこのようなお雑煮(島根県)、あん餅を入れた白みそ仕立て(香川県)、鮭とイクラの親子が入る(新潟県)、クルミだれをつけて食べる(岩手県)など、その内容は様々です。
愛知県では、雑煮の材料にもち菜を使うことにより、「名(菜)を上げる」「名(菜)を残す」、また福井県では、昆布だしのみそ仕立てで、かぶだけを具にして「株を上げる」とかけています。
とろりとした甘い味噌汁を使う京都府ではかしらいも、だいこんなどを「物事が丸く収まるように」と丸く切って入れ、作った方の想いが伝わってくるものとなっています。
また、地域ばかりでなく家によってもお雑煮は異なります。祖先や親の出身地、結婚した相手の出身地、好みなどが融合して我が家のお雑煮となります。
お雑煮がいろいろなことを物語ってくれますが、様々な味と思いがしみこむ我が家のお雑煮を囲みながら、良い年をお迎えください。