食育に関する情報・食育の実践なら 【HATTORI食育クラブ】

メディア

HATTORI食育クラブ 服部幸應コラムNo.59

行事をいとなむ

師走のお忙しい時期、いかがお過ごしでしょうか。
年末年始は行事が盛りだくさんですので、ぜひ日本の伝統を見直すきっかけにして頂きたいと思います。

12月22日は冬至です。一陽来復と言い、太陽が復活を遂げ、冬が去って春が来ることを示しています。
魔よけのかぼちゃを食べ、太陽を模したゆず湯につかります。

12月25日はクリスマスです。キリスト教は一五四九年に伝来し、日本の文化に大きな影響を与えました。
キリスト教徒の方にはもちろん大事な行事ですが、 ホームパーティーなど家族や友人たちとコミュニケーションをする良いチャンスとなっています。
大晦日は年越しそば。江戸中期に始まった風習ですが、「細く 長く生きられるように」「病気などと縁が切れるように」という縁起かつぎでそばを食べます。そして、歳神を迎えるためにけがれを払い、一〇八つの煩悩を払 う除夜の鐘を聞きます。

お正月はやはりおせち料理。
現在一般的に伝えられているおせち料理は、江戸時代の武家作法がもとになっています。
数の子、昆布、黒豆などそれぞれ縁起をか ついで食べられています。正月の三が日は煮炊きせずに静かに過ごし、主婦を休ませてあげようという意味合いもあり、おもちやお煮しめなど保存のきく料理が 多く、保存に適した重づめの形がとられています。

1月7日は七草粥。
正月7日は人日(じんじつ)として大切な節目としました。春の若菜をつんで粥にいれて食べると疫病から身を守るとされ、“ せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな(かぶら)・すずしろ(大根)” を粥にしていただきます。
日本では平安時代に始まり、江戸時代に民間に広まりました。

なお、行事をいとなむには、旧暦が欠かせません。行事は旬の食材を使いますが、旧暦とぴったり合うのです。

日本は古来より、春夏秋冬の季節の節目ごとにごちそうをしつらえ、自然に感謝し、楽しんできました。
ぜひ来年も、日本の豊かな食を、行事を通して感じていただきたいと思います。

バナースペース